留学体験記2012
留学体験記2012 清水 一将【Purdue】
留学先:Purdue University (Thermal-hydraulics and Reactor Safety Laboratory)
期間:2012/Sep.-Nov.
研修内容:
沸騰水型原子力発電所(BWR)における大口径管での気液二相流の挙動実験や対向二相流試験ループの制作や測定器の設置に携わりました。
その他にもゼミへの参加や研究成果の発表、Prof. Ishiiの授業を聴講するなど幅広く活動することができました。
学んだこと:
①自らアクションを起こすことの重要性
実験や試験装置の制作では取り扱う装置が大きいため、複数人で作業することが多く、気づいたことや不明点を相手にしっかり伝えないと作業が捗りません。
拙い英語しか話せませんでしたが、伝えようという意思を持っていれば研究室の皆さんは理解に努めてくれ、最低限のコミュニケーションが取れたと思います。
②多様な文化を肌で感じることができた
TRSLには米国、中国、台湾、インド、スペインの学生がおり、異なるバックグラウンドを持ち研究に対するアプローチもそれぞれでした。
英語にもそれぞれの訛りがあり、聞き取るのに苦労することも多々ありましたが、このような経験が出来たことで視野が広がったと思います。
生活:
大学のあるインディアナ州ウェストラファイェットはPurdue大学だけでひとつの街を形成しています。
街の周りは一面トウモロコシ畑の田舎ですが、勉学に励むにはちょうど良い環境だったと思います。
滞在中は学内にあるゲストハウスに住んでいました。
オフタイムは近くのレストランやバーに連れて行ってもらい、息抜きをしていました。
連休のときはシカゴに旅行し、美術館や建築を見て楽しみました。
最後に:
英語が得意に越したことはありませんが、苦手意識があっても意欲があれば必ず得られるものがあります!
興味がある方は、ぜひ原子力安全工学研究室へ!
ジョイナス!!!
留学体験記2012 保坂 達郎【OSU】
留学先:Ohio State University
昨年、アメリカのオハイオ州立大学に留学した時のことを簡単にまとめます。
私は森先生から今回の留学のお話をいただくまで、留学することにあまり興味はありませんでした。英語にも自信はなかったし、海外で働きたいという希望もなかったので。海外に行きたくないというわけではなかったのですが、先生から「行ってみないか」と言われなければ、自分で動くことはなかったと思います。きっかけとしては、一生こんな機会はないかもしれないし、せっかくだから人生経験として行ってみようか、というぐらいでした。
まず、大学生活ですが、主に留学先の研究室で行われている研究(four-sensor
conductivity probeによる垂直上昇管内二相流における気相測定法)について、実際にprobeの作成方法を教わったりしながら勉強させていただきました。そのほかに、原子力に関する講演やセミナーを聴講したり、上述の研究テーマのグループのミーティングに参加したり、その週にあった出来事や学んだことに関して毎週レポートを書いたりしていました。
先生からは、論文を読むことでリーディングを、講演を聞くことでリスニングを、ミーティングで会話することでスピーキングを、レポートを書くことでライティングを、と原子力に関する勉強と同時に英語力も伸ばせるようにと言われていました。先生とは事前にメールでやりとりしていたので、私が二相流の分野にあまり知識がないということをしっかりと理解して、このようなカリキュラムを組んでくれたのだと思います。
研究室は、先生が中国の方ということもあり、中国人・韓国人の学生が多く、皆とても親切に接してくれました。中国の学生が私が2か月間住む部屋を一緒に探してくれたり、韓国の学生がクーポン持ってるからとランチをおごってくれたり、オハイオ出身の学生が朝食のおいしい店があると休日に連れ出してくれたりしました。留学期間の終わりには、先生と研究室の学生たち全員でお別れの食事会も開いてくれました。
留学を終えて、とてもいい経験になった、行ってよかったと思っています。行く前は英語が話せなかったら相手にされないんじゃないかと不安に思っていましたが、私の拙い英語でも、こちらが何か伝えようとすれば相手も聞き取ろうとしてくれました。私がわからなそうにしていれば、繰り返し説明してくれました。行く前に感じていた不安は、私が外国人に対して偏見・先入観のようなものをもっていたからなのかな、と帰ってきてから思いました。アメリカで1人での生活を経験して、知識だけでなく様々な面で、人間として成長できたと思います。
以上です。留学に興味がある人はもちろん、私のように機会があれば行ってもいいかなと思っている人も、学生のうちに経験しておくことをお勧めします。
留学体験記2012 中田 順也【MIT】
留学先:マサチューセッツ工科大学
期間:2012/Oct.-Dec.
研修内容:
「新型溶融塩炉の非常用冷却システムに関するオプション検討」をテーマに、研修を行いました。現在米国で新型溶融塩炉に関する研究開発が進められています。これは従来の軽水炉よりも高い経済性と安全性を持つ原子炉として期待されています。マサチューセッツ工科大学においては、その炉心や構造物の設計について、熱流動や炉物理、材料などの各チームに別れて検討を行っていました。私はその中で熱流動チームに参加し、非常用冷却システムに用いられる可能性があるいくつかのオプションの中から、コストや効率、安全性といった観点から比較・検討を行いました。最終的にそれらをまとめたレポートを作成し、本インターンを修了しました。
学び、気づき:
日本が高速炉研究において蓄積した技術や経験を生かし、関連する日本語の文献を英語に翻訳する業務を行いました。インターン生の大きなアドバンテージは、留学先の学生とは異なる知識や感覚を持って、研究に従事できる点だと思います。どんな場所にいても自分の役割を理解し、自発的に行動することが重要だと学びました。
11月には米国エネルギー省やウェスチングハウス社などといった企業等と共催のワークショップにオブザーバーとして参加し、米国における溶融塩炉プロジェクトの全体像をつかむことができました。中国の研究所の方がゲストとして公演しており、中国国内では今後も原子力発電所を新規稼働する予定だと聞きました。世界では原子力エネルギーを推し進める動きが依然あるということを再確認することができました。
英語に関しては、パーティーなどでネイティブがたくさん集まっているような場所では、あまり聞き取ることができず大変でした。ただ、1対1で研究の話をする分にはどうにかコミュニケーションをとれたと思います。現地で生活する中で良く聞く単語やフレーズを実際に自分で使ってみることで飛躍的に英語が使える実感がわきました。やはり現地で実際に話し、聞くことが非常に重要だと思いました。
現地の生活:
ボストンはアメリカの中でもかなり大都市の方で、生活に困るようなことはありませんでした。アメリカ発祥の地でもあり、歴史的な観光地が点在しているため、休日はそれらを見て回ったり、またNBAのシーズンと重なったいたため、試合をよく観に行っていました。ボストンは治安もよく、トラブルに巻き込まれることもありませんでした。現地では中国人の留学生と親しくなったり、またバークリー音楽学院の学生とルームシェアをしていたため、音大生のパーティーにも招待してもらったりしました。後半1ヶ月はアメリカの家庭にホームステイをしていました。ボストンは物価が高く、しかも私の場合よく遊んでいたため、かなりお金がかかってしまいましたが、純粋に留学の費用としては安く済ませられると思います。
ひとこと:
海外(しかもアメリカの有名大学)に行ける機会はめったにないので、興味がある学生の方はぜひ!必ず得られるものがあると思います。また研究室選びで悩んでいるみなさん、オススメします。Welcome to Nuclear Safety Engineering Lab.~~~:-)
Dr. Charles Forsberg
Director and PI: Fluoride Salt-Cooled High-Temperature Reactor Project
Executive Director MIT Nuclear Fuel Cycle Study; University Lead: INL Hybrid Energy Systems
Department of Nuclear Science and Engineering
Massachusetts Institute of Technology
留学体験記2012 高橋 岳志【TAMU】
留学先:Texas A&M University
森先生の紹介で経験させて頂いた海外インターンシップですが、最初打診されたときは拒否しました。当時TOEICのスコアはあまりにも低く(WEB公開することで大学の名誉が傷つくため割愛)英語に対するコンプレックスも凄まじかったからです。
それでも森先生は背伸びをして挑戦して、それがいつか当たり前になるよとアドバイスをして下さったので緊張しつつもそういうものか、と考え単身アメリカへと向かいました。
結果、こんなきっかけで行くことになった海外インターンシップですが公私共に素晴らしい経験をさせて頂きました。
研究室では原子力発電所事故時の加圧器内部のフラッディングを観察するというテーマのスタートアップをして来ました。あちらでお世話になった教授が当初あてにしていた観察装置を留学期間に用意するのが難しいことが到着後にわかり、急遽別のアプローチでの観察を考え、そのための装置を自作するところから始める状態でした笑
私生活ですがJapan Clubという日本文化を学ぶサークルのようなものに参加させてもらっていました。ちょうど文化祭のような時期に行けたので、深夜にみんなに割り箸鉄砲の作り方を教えてあげたり、おにぎりを売ったり、味噌汁の試飲を進めたりと想像していた留学とまるで違う経験もしました
帰ってきて思うことはありきたりな言い方をしてしまえば「価値観が変わった」や「自信がついた」に集約されてはしまうのですが、それでも本当に行ってきて良かったと思います。自身の拙い英語でも専門の話をする手段があることを知っているかどうかでは将来の選択肢がまるで変わってきますし、現に私は留学前と就職の希望先が大きく変わりました。また、新しいことに挑戦するときの心理的なハードルも下がったように思います。
ここから新三年生などの機械知能工学科の後輩向けになりますが、森先生は民間で色々な経験をしてきた先生で海外にもコネクションが多くあります。留学や研究においても生徒の自主性を重んじてくれる先生です。もし院の進学に興味があり、かつ専門分野での海外経験を安心できる先生のもとでしたい、など考えた場合には良い選択肢の1つだと思います。もしなにか気になることがあればA3-70まで直接聞きに来てくれれば喜んで質問にお答えします。